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あつし君のお母さんのメッセージ2012年07月20日

初めての出産

「どうして普通に病院で産んでくれないの?」最初の家族の反応は予期した通りのものでした。「自然出産」が一部で流行し、賛否両論が出てきて、「自然出産」の言葉の意味についてもう一度考え直されている時期だったせいか、両親は私が流行に惑わされていると思ったのかもしれません。
私は最初、「出産に主体的に関わりたい。安産のために自分にできることはしたい。」というくらいのことしか考えていませんでした。また、身近に助産院出産の経験者がいなかったため、どこで産むのが自分に合っているのか、最初はわかりませんでした。
 最初に庄先生にお会いした時は、ずいぶん長い時間をかけてお話ししました。印象的だったのは、さくら助産院での出産を「家族の出産」とおっしゃっていた点です。そのため、「できることはして、それでもどうしても家族に賛成してもらえないなら、考え直した方がいいかもしれません。」ということを言われました。お産が終わった今なら、その意味がわかるような気がします。あらゆる要素がお産に影響しますが、その中でも妊婦の精神状態が及ぼす影響はとても大きいと感じます。そのため、家族が反対している等の大きな気がかりはない方がよいのかもしれません。
 私の場合は、家族が毎回妊婦検診に同行してくれて、庄先生と直接話をすることで、賛成してくれるようになりました。

さくら助産院の妊婦健診では、まずじっくりとお話をします。前回からの変化、健康状態、疑問点……何でも聞くことができます。それから、ベッドに移り、必要な計測などをして、お腹と脚のオイルマッサージを受けます。とてもリラックスした雰囲気です。お腹の赤ちゃんが成長してくると、お腹を触りながら、「こっちが背中だから、ここがお尻。足がはっきりとわかるね。」などと赤ちゃんの位置について話します。病院のエコーで赤ちゃんの顔を見るのも嬉しいものですが、お腹を触って赤ちゃんの動きを感じたり、パートナーがお腹に耳をあてて赤ちゃんの心音を聞いてくれるのもなかなかいいものです。
 私が初産だったからかもしれませんが、1回の健診に2時間前後の時間をかけていただきました。気になることは何でも話して、徐々に信頼関係を築いていたのだと思います。

 出産当日は朝からおしるしがあり、その後散歩をしている間に痛みがきました。庄先生と電話でやりとりしながら間隔を計り、5~6分間隔になったところで助産院に行くと、もう夜中でした。その日は痛みの間に寝ました。「朝には産まれるのかな」という淡い期待を持っていましたが、思ったより陣痛は強まりませんでした。
翌朝、庄先生に診ていただき、「前駆陣痛だったみたいだね。子宮口が3cmしか開いていない。」と言われた時は、正直ショックでした。「まだまだこれからなんだ」と思い、その日は陣痛を強めるために約30分間お湯につかった後、階段の昇り降りをしに外に出ました。ほとんど寝ていない夫もつきあってくれて時間の計測をしてくれました。その時はほぼ5分おきに立っているのも辛い痛みがきていましたが、また陣痛が弱まってしまうのではないかという不安が常にありました。一度家に戻って横になったら間隔がのびてしまい、「私は自分の力で産めないのかもしれない。病院に行くのかな……。運動が足りなかったのかな……。」などの考えが浮かんで、涙が出ました。
庄先生と連絡を取り、再度助産院に行くと、陣痛はどんどん強まってきました。「いきんでいいんだよ」と言われましたが、いきみ方がわかりません。そう庄先生に言うと、「必要な時はいきみたくなるから」と言われました。それでもなかなかいきみたくならないので、もう一度診ていただくと、庄先生が少し困った顔で、「子宮口は8cmというところかな。全開大にするのに、ちょっと痛いけどお手伝いが必要だね。」と言われました。とっくに全開大だと思っていたので再びショックでしたが、ここまで来たら選ぶ余地はありません。それから後はとにかく夢中でした。痛みは次々にやってきます。疲れのせいか痛みの間で何度も夢を見ました。「自分の力で産めないのかもしれない」という不安が何度も頭をよぎりましたが、庄先生が確認してくれる赤ちゃんの心音が力強く聞こえてきて、「赤ちゃんが元気なら大丈夫。できる。」と思いました。
産まれた赤ちゃんは、きれいなピンク色の肌をしていて、へその緒で繋がったまま胸に抱かせてもらうと、とても温かくて、たまらない気持ちになり、涙があふれてきました。
「こういうお産を経験すると、自信になるよ。」と庄先生が言っていたことがなんとなくわかるような気がします。時間はかかりましたし、安産とは呼べないかもしれませんが、私と赤ちゃんのペースでお産は進みました。庄先生の力を借りて、家族に見守られ、私と赤ちゃんはやり遂げたという実感があり、それが自信に繋がったのだと思います。

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