札幌市東区の助産院「さくら助産院」助産師による妊娠・出産(自宅出産)・育児サポート

　一人目のお産は病院でした。破水し、陣痛促進剤を使ったのち、すぐに強い陣痛がきて、分娩台にあがり、出産。その晩は、夫は面会時間が終わり帰宅し、赤ちゃんは新生児室へ、私は貧血がひどいからと、導尿管をつけられて、一人でLDRで過ごしました。何しろ初めてなので、「こういうものなんだ」と思っていました。でも、心の中では、「もっと自然なお産ができたかも、次は…」とも思っていました。
ちょうどその頃、新聞で「さくら助産院　10周年の集い」の記事を見つけ、程なく庄さんのもとを訪ねました。
助産院は、ごく普通のアパートの一室で、あまりにシンプルなので、初めて訪れた時は驚きました。内診台もエコーの機械もありません。聞くと、お産当日まで内診をしません、しなくても、体をよく見て、そしてやりとりを重ねていけば、分かるので大丈夫とのこと。引き受けられないお産もありますとも聞きましたが、お話や庄さんの人柄に引き込まれ、「二人目は是非、この人にとりあげてもらいたい!!」と思いました。その後すぐに二人目の妊娠が分かり、庄さんにお世話になることに決めました。

　ふだんの健診の流れは、こうです。…まず最近の様子、体調などを話したあと、ベッドにうつり、体を診てもらいます。一緒に赤ちゃんの心音を聞いたり、おなかが大きくなってくると、手をあて、「ここが頭で、こっちが足ね」と教えてもらったり。主人と一緒の健診時には、おなかに耳をあて、赤ちゃんの心音を聞く方法を教えてもらいました。(その後、家に帰って毎日していました)アロマオイルを使ってのマッサージもとても心地よかったです。その後は、再びお話。前回のお産のことや、当日のシュミレーションや準備の具体的な話、兄弟のこと、出産スタイルのこと、心配なことなど…とにかくいっぱい、話しました。初めて助産院を訪れた時は、「前より自然なお産がしたい」という程度の漠然とした思いでしたが、庄さんとお話を重ねていくうちに、「人それぞれ、十人いれば十人それぞれのお産があるんだ、自分もきっと自分らしいお産ができそう」という自信がついて、お産が楽しみになってきました。

　主人は、初めのうち自宅出産には不安があったようですが、健診時のやりとりを話したり、一緒に健診に行くうちに理解し、最大の協力者になってくれました。また、当時2歳の長男は、健診に何回か連れて行ったのですが、庄さんのことをすっかり気に入り、今日は庄さんのところへ行く日だと言うと、「一緒に行く!!」と言い、彼もまたよき協力者になってくれました。

　そしてお産の日。朝から15分間隔で陣痛が続いていましたが、お昼を過ぎ、夕食の支度をし、お風呂に入り…陣痛の間隔は狭くならず、時々弱くなったりもしながら時間が過ぎていきました。この間、時々、途中経過を庄さんに電話していました。そして上の子を寝かしつけると、一気に陣痛の間隔が狭くなり、再び庄さんに電話。「今から向かいます！」庄さんを待つ間に陣痛がどんどんやってきます。主人はとなりで「間に合わなかったらどうしよう〜」と。でも「家にも一度来ているんだし、大丈夫だって!!」と私。そして到着。布団も用意してあったのですが、そのわずか3mの距離が移動できず、ソファーに手をついたままの私に「じゃあ、ここで産みましょう！」と庄さん。パッパッと手際よく準備し完了、ふぅ〜〜ふぅ〜〜と息をして…誕生！ 庄さんが家に到着して20分後の出来事でした。
産声で目が覚めた上の子が起きてきて、主人の隣に正座をしてじーっと赤ちゃんを見ています。赤ちゃんは、私の胸で初めてのおっぱいを一生懸命飲んでいます。とてもゆったりした、幸せな時間でした。その後上の子は「ママをとられた!!」と思ったのか、はげしく泣いてしまいましたが…ともかくこうして誕生の瞬間を家族みんなで迎えられ、私も自分らしいお産ができ、とても満足でした。病院で経験したものとは、全然違いました。
その後も一週間、毎日庄さんが自宅を訪問し、いろいろ気を配ってくれて、心強かったです。

　お産の後は、生後2ヶ月から庄さんにベビーマッサージを教わり、また誕生月の近いママさん達と連絡をとり合い、「さくら会」を作り、交流を続けています。みんな1歳を迎えるこの夏もさくら会を開き、庄さんとも再会、楽しいひとときをすごしました。産まれるまで、そして産まれた後もずっと、庄さんに力をもらい、励まされています。子供は2人でいいかなと思っていましたが、3人目もほしくなってしまいました！

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